Thursday, May 31, 2007

よみがえれ!富士山測候所~極地高所の研究拠点に~

富士山測候所は気象衛星の発達などによってレーダー観測をやめて2004年に無人化されました。
1932年の開設以来、富士山測候所が果たしてきた役割は計りしれません。台風予測などで数多くの人命や財産を守り、「自然災害の防波堤」として70年余活躍してきた長い歴史があります。

無人化したあと、気象庁は関係省庁による跡地利用検討委員会などを設立して今後の活用案を検討してきました。しかし適当な管理運営主体が見つからないため、このままいくと同施設は解体撤去されてしまう運命に立たされています。

この富士山測候所の施設を取り壊さず、学術研究や教育分野で幅広く活用しようと呼びかけているグループがあります。科学や教育、登山、さらには超党派議員連盟など各界の知識人、専門家たちで作るNPO法人「富士山測候所を活用する会」(2006年設立)です。

同会がまず注目しているのが3,776mという高所です。海外ではヨーロッパやハワイ、中国、韓国、インドなど25か所の高所地帯に自然科学の観測・研究拠点が設けられて活動しています。もし、この富士山測候所が、その役割を担うようになれば世界一高いところにある「環境監視タワー」ということになります。平地に比べて気圧がおよそ60%しかないその環境はスポーツの高所トレーニングに適しており、また、湿度の低い富士山頂は日本における最高の天体観測地点です。さらに酸素が少ないため平地より身体の脂肪代謝が盛んになることから肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防や治療の研究においても大きな期待がもたれています。つまりスポーツトレーニング、天文学や宇宙科学、高所医学、地震火山学など幅広い分野での研究活動を「産官民学」の共同利用でやっていこうというのです。

もちろんそうなると用途に応じたリニューアルが必要です。これからその活用法の絞り込みを行うために、現在同会では国(気象庁)に富士山測候所(施設)の借用を申請中です。また、7月17日には東京の電通ホールで「富士山測候所を活用する会」のメンバーである登山家の今井通子さんら40人が集まり、海外から学者・専門家も招いて「世界における極地高所科学の研究報告や富士山測候所の有用性を議論する」富士山国際シンポジウムの開催を予定しています.

現在、日本各地に46か所ある測候所は2010年までに原則廃止が決定されていますが、富士山測候所と同様、歴史的、文化的に貴重な測候所は少なくありません。富士山測候所の保存活用においてどんなプログラムが提示できるか、46か所の測候所も今、その成り行きをじっと見つめています。
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